ゆきさんとしいちゃん②
前回に引き続き、ゆきさんとしいちゃんのお話をお伺いします。
①はこちらから
②では、しいちゃんの根治術からストーマ閉鎖までについてお伺いしたいと思います。
ゆきさん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
根治術とストーマ閉鎖は実際にはそれぞれ何歳何ヶ月に行いましたか?
根治術は1歳1ヶ月の時に、ストーマ閉鎖は1歳3ヶ月でした。
根治術に関してはどのように説明がありましたか
開腹ではなく腹腔鏡手術で、共通管から腸を切り離して、お尻の穴を造り、そこへ繋げる。だいたい1ヶ月ほどの入院期間になるとの説明でした。
根治術を受けるに当たり、ゆきさん自身はどのような気持ちでしたか?
根治術の話は、成長の過程で必要であること、体重10キロを目処に行う予定であることを前から聞いていたので、覚悟はできていました。なかなか体重が増えず、実際は8キロで手術となり、とにかく無事に終わることを願うだけでした。
根治術のあと約1ヶ月の入院をされていますね。付き添いされていましたか?
はい、付き添い入院でした。
1ヶ月もの入院期間、病院につきそうことは体力的にも又お気持ちの面でも大変な事もあったと思いますが、何か支えになった事はありましたか?
相部屋で、同じお部屋のお母さんたちとのお喋りが支えになりました。
同じ疾患の方はおらず、知り合いになる機会はありませんでしたが、病と向き合う子どもを想う親の気持ちは同じで、お互い励まし合う感じでした。
付き添い入院になるため、上の子は県外にある実家の両親に預けました。初めての長期間離れての生活で、とても心配だったので、毎日スカイプしてなるべくたくさん顔を合わすようにしていました。
上の子は、わがまま言わず、お利口にしてくれていて、本当に助かりました。
泣き叫んだところで会いに行くことはもちろんできませんので。
県外のご実家に預けていたのでは、確かにすぐに駆けつけられないですもんね。お姉ちゃんの頑張りや、ご実家のご両親に支えられていたんですね。
根治術後の入院中にトラブルや何か記憶に残っているエピソードがあればお聞かせください。
ストマ閉鎖手術後なのですが、病室に戻ってきて、しばらく様子を見ていて、おしっこが全然出ていないことに気付きました。
管を入れてパックがぶら下がっているんですが、パックの中は空っぽで。
様子を見にきてくれる看護師さんにはすぐに報告しました。
その後もしばらく様子を見ていましたが、やはり出ていなくて。看護師さんから夜勤の先生に報告してもらい、夜勤の先生に来てもらいエコーで見ると膀胱は膨らみ尿の影がしっかり映っていました。
管が尿管ではなく、膣の方に入っていたようです。
今回の手術では尿管と膣は分けていなくて、繋がったままなので、共通管から尿道と膣に分かれる部分で、膣の方に入ってしまっていたようです。
再度、管を入れようとしましたが、うまく入らなくて、術後で不機嫌な娘は大泣き。私は何もできず…。
急遽夜中に教授がきてくれて、レントゲンを撮りながら入れることになりました。
術後に一旦ひと安心したところだっただけに、再び大きな不安に襲われて心身共に疲れました。
長い手術のあとにトラブルがあったのですね。それは心配な気持ちになりますよね。
根治術後に変更、追加になったケアはありましたか?
根治術後は、指でお尻ブジーをやっていました。
途中、ストーマから整腸剤を溶かしたものを注射器で注入していました。
根治術まで無事に終えて、大変な手術や入院を頑張ったお子さんに対してはどのような思いでしたか?
本当によく頑張ってくれたと思います。
正直、まだまだ小さかったので、本人も訳が分からず終わった感じです。
説明は必要なかったですが、これから大きくなっていろいろ理解できるようになってから必要になる手術に対して、説明ができるのか、という将来の不安が強くなりました。
本当にしいちゃんもママも頑張りましたね。事前のアンケートでは脊椎・神経、その他にも疾患があったと回答されていましたが、よろしければ、お聞かせいただけますか?
まず心臓に、肺動脈弁狭窄症(軽症)がありましたが、こちらは経過がよく、問題ないと言われ、診察は無くなりました。
7ヶ月の頃、総排泄腔遺残の現状確認の為、検査入院。
MRI検査で、偶然、脊髄脂肪腫が見つかり、脳神経外科の先生よりお話しがありました。
脂肪腫が将来、排尿や排便、または下肢に悪さをする可能性がある。
緊急ではないが、取っておいた方がいいのではないか?とのことでした。
どのような治療をされてケアにはどのような事をされていますか?
根治術・ストーマ閉鎖後、1歳7ヶ月の時に脂肪腫切除の手術をしました。
今は半年に一度MRI検査をし、経過観察をしています。
①では病気の発覚から在宅ケアスタートされた頃のお話を、そして今回は根治術・ストーマ閉鎖までのお話を伺いました。ゆきさん、ありがとうございます。
振り返ってみて、この時期の自分に声を掛けるとしたらなんて声掛けをしますか?
また、今、この時期を過ごしているママに向けてメッセージが有ればお願いします。
振り返ってみて、当時は真っ暗なトンネルの中を、微かで小さな光に向かって、家族4人で必死に向かっていたと思います。
今、娘たちが大きくなり、2人で仲良く遊んでいる姿を見ると、頑張ってきてよかったなと心から思えます。
大丈夫!なんとかなるよ!
もっと頼れる(頼る)機関(場所)を見つけられたらよかったね。
とメッセージを送りたいですね。
今は、悩んだり、辛かったり苦しかったり、いろんな想いが押し寄せてきて、潰されそうになっていることと思います。
でも、大丈夫です。
ここに仲間がいます!
同じ疾患でも個々の症状は違いますが、決してあなたは1人じゃないですよ。
娘さんも1人じゃないです。
ゆきさんには、しいちゃんとの歩みがスタートした時のお話を中心に聞かせていただきました。長時間に渡るこちらからのインタビューに答えてくださりありがとうございました。
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